今年で16年目を迎える「24時間チャレンジ八丈太鼓」。
このイベントを続けてこられたのは、来場者の皆さま、スタッフ、そしてオンラインで応援してくださる方々──関わってくださるすべての皆さまのおかげです。心より感謝申し上げます。
私は幼い頃から太鼓が身近にある環境で育ちました。
親や近所の方々が太鼓を叩く姿を見て育ち、気づけば私自身も宴会や余興など人が集まる場で自然とバチを握るようになっていました。仲間と太鼓を挟んで向かい合い、自由に即興で叩く時間は楽しく、嫌なこともすべて忘れさせてくれました。
しかし、時代の流れとともに、太鼓を叩く光景が少しずつ減っていくのを感じました。
親から子へ、身近な人から子どもへと受け継がれてきた太鼓の音が、今、静かにその響きを失いかけている──。
「このままでは八丈島の太鼓文化が途絶えてしまうのではないか」と感じ、「何とか次の世代へつなげたい」との想いから、この『24時間チャレンジ八丈太鼓』を立ち上げました。
初期の開催では、車に太鼓を積み、島内を回りながらご年配の方のお宅を訪ね、「一緒に叩こう」と声をかけてまわりました。
カメラを向けると恥ずかしそうに隠れる方も多く、そんな温かい時間が今も心に残っています。
「24時間叩き続ける意味があるのか?」とたくさんの方にいわれ自分自身に問いかけることもありましたが、今は心から「やってよかった」と感じています。
そしてコロナ禍という過酷な時代の中、「もう継続は難しい」と言われた時期もありました。
それでも「このイベントだけは続けたい」という想いからオンライン配信に挑戦した結果、日本各地、さらには海外へとつながり、今では海外から足を運んでくださる方も増えました。
会場は毎年、太鼓の響きと笑顔であふれています。
伝統文化の継承を願って始めたこのイベントが、いまや日本各地・世界各国を結ぶ架け橋となりました。
年に一度この場所で再会できる喜び、変わらぬ顔ぶれとの安心感、そして会うたびに深まる絆──。
言葉では言い尽くせないほどの感動をいただいています。
八丈太鼓は、人と人、地域と地域、国と国をつなげてくれる。
異なる文化であっても、互いに尊重し、響き合えることの素晴らしさを改めて実感しています。
「24時間チャレンジ八丈太鼓」では、決まった叩き方はありません。
自由に、自分の思うままに太鼓を叩く──それがこのイベントの魅力です。
初めての方も安心してご参加いただけるよう、ワークショップも開催しています。
また、24時間を楽しく過ごしていただけるよう、太鼓以外のサブステージもご用意しております。
どうぞ気になる方は、ぜひ八丈島へお越しください。
ご来場の際は、遠慮なくスタッフへお声がけください。
皆さまにお会いできる日を、スタッフ一同、心より楽しみにしております。
令和7年(2025年)
24時間チャレンジ八丈太鼓
リーダー 奧山善男
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